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オッフィチーナ名称:
SIMONCINI TELAI(シモンチーニ・テライ)
住所:
Via Miglioli, 13 – ガンバッシ・テルメ (フィレンツェ)

フレームビルダー:
Eugenio Simoncini(エウジェニオ・シモンチーニ)

展示車両・フレーム
SIMONCINI 

フィレンツェ中心部から50kmほど離れたエルザ渓谷の丘陵地帯、ガンバッシ・テルメにあるSimoncini telai(シモンチーニ・テライ)の工房はある。
1949年に地元で自転車工房を始めたサイクリストのレナート・シモンチーニはエウジェニオの祖父にあたる、つまり現在まで3代続く、70年の歴史を持つ伝統ある工房だ。
 90年代まで主に大手メーカーの下請けとして、Aquila(アクイラ)、Benotto(ベノット)のほか、数多くのブランドにフレームを供給していた。
3代目となるエウジェニオもサイクリストではあったものの、大学で環境化学を学びで博士号を得てフィレンツェのアルティチェトリ天文台での研究員や、高校で教鞭をとるなど、家業とは畑が異なる道を進んでいた(余談だが東京工業大学で務めた経験もある)が、二代目である父オルランドの引退を機に、家業を継ぐことを決意。
父と、彼の元で50年以上共に働いた二人の職人の手ほどきを受けながら、歴史ある工房を守っている。

「父たちははじめ、“ビルダーとして一人前になるには相当の時間がかかる”と言っていたが、僕が違う分野でこれまでにやってきた経験もフレーム作りに活きているよ」と言うエウジェニオ。彼が引き継いでからこの工房ではグラベルバイクの製作や、ステンレスやチタンなどの新素材、それに従いTIG溶接を採用するなど、これまで培われた確かな技術を上積みするべく革新への取り組みにも勤しんでいる。

ろう付けのラグドフレームやフィレットを得意とし、ロードバイクやMTB、グラベルはもちろん、ランドナーや小径車、ミキスト、はてはタンデムまであらゆるジャンルのバイクを製作し、ユーザーの細かな要望にもしっかり応えてくれる。

シモンチーニ・テライの創業70周年を迎えた昨年、初代レナートが工房を設立した地カステルフィオレンティーノ(現在の工房から3kmほど離れている)に小さなミュージアムをオープンした。創業者レナートがはじめて製作したフレームから、70年続く同社の歴史が凝縮されている。